今日の文明社会は、電気と磁気の力によって支えられているといえます。しかしながら、それらが理解され、自在に利用できるようになるまでの道のりは、けっして平坦ではありませんでした。本書は、数々の天才たちが取り組み、解明してきた電磁気の仕組みや働き、それを利用した機器・装置などを、エピソードをまじえながらわかりやすく図解。注目集める最新エレクトロニクス技術もあわせて紹介します。
天才たちを夢中にさせた魅力とは?
『電気と磁気のふしぎな世界』
著者:TDKテクマグ編集部
価格:952円+税 色数:オールカラー
ジャンル:物理 刊行:2008年8月 ISBN:978-4-7973-4857-6
<著者プロフィール>
TDKテクマグ編集部(TDKてくまぐへんしゅうぶ)
TDKホームページの人気読み物コーナー「Tech-Mag」の制作を担当。エレクトロニクスの基礎から最新技術、身近でタイムリーなテクノロジー情報を、さまざまな角度からわかりやすく解説している。「テクの雑学」「コンデンサ・ワールド」「じしゃく忍法帳」など、現在16シリーズを掲載(http://www.tdk.co.jp/techmag/)。
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<担当編集者からのメッセージ>
電気も磁気も目には見えない不思議な自然界の力ですが、古代から静電気や磁石として、その存在が知られていました。けれども、私たちがその性質や作用を解き明かし、積極的に暮らしに役立てるようになるのは、1800年のボルタ電池の発明からです。
化石燃料に頼れなくなってきた現在、電磁気の知識は必要不可欠なものになりつつあります。もちろん、節電(省エネ)の暮らしを考えなければなりません。照明や動力、加工、通信......と、電気は社会のすみずみにまで行き渡り、私たちの暮らしを支えてくれています。ですから、これまでのような、なにも考えないで湯水のように電気を消費するのではなく、電気を生みだす仕組みを知ることで、使ったぶんだけ補充するような考え方が大切になってくるでしょう。補充できなければ、使う資格などなくなるのだと思います。
本書は、電気や磁気の研究が行われてきた経緯を歴史的に振り返りながら、それらがもつ特性と応用製品の話題にもふれ、1話完結型のスタイルで27話をまとめています。
実際のところ、電磁気の研究には数々の天才たちが取り組み、理論の探求とともに応用としての製品開発で社会に貢献してきた経緯があります。発明王トーマス・エジソンは、その代表といえるでしょう。むろん発明には完成までに数々の失敗を繰り返すような試行錯誤がつきものです。そうした教科書には載らないエピソードの数々を、本書では図解とともに楽しく紹介しています。
<目次>
第1話 コイルと電磁石はいつ生まれたか?
第2話 微弱な磁界変化にもコイルは敏感
第3話 燃料電池を生んだ電気化学
第4話 手回し発電機にみるハイテク今昔物語
第5話 地上でも宇宙でも省エネは重要課題
第6話 ハイブリッド車にも利用される電気二重層キャパシタとは?
第7話 超磁歪振動子を用いたユニークなパネルスピーカー
第8話 技術のルーツは知恵とアイデアでいっぱい
第9話 照明はエレクトロニクスの生みの親
第10話 半導体素子のルーツは天然鉱石の検波器
第11話 エネルギーを伝える共振=共鳴現象
第12話 やっかいな静電気も使い方しだい
第13話 エレクトロニクスを支える"めっき技術"
第14話 液晶テレビのバックライトとインバータトランス
第15話 デジタル回路を指揮する小さな時計(クロック)
第16話 温度を感じるセラミックス
第17話 エレクトロニクスと真空技術
第18話 さびを制するテクノロジー
第19話 太陽電池のニューフェイス
第20話 温度センサーの知恵くらべ
第21話 ドライ・ウェットを電気信号にする湿度センサー
第22話 電磁調理器にも利用される"渦電流"とは?
第23話 歯車は"からくり"の基本
第24話 モーターと発電機の切磋琢磨
第25話 アイデアに満ちた録音機の技術
第26話 圧電セラミックスのマルチ・パフォーマンス
第27話 磁石は永遠にマグネチック