プラスチックは生活に密着した素材ですが、目的や用途に応じて必要な性質をもつものがつくれるというすばらしい特徴があります。本書は「機能性」をキーワードに、プラスチックの基本からプラスチックが抱える問題までをわかりやすく解説し、楽しく学びながら読み進めることができるように心がけて仕上げました。また、化学の知識があまりなくても、理解できるように工夫しています。プラスチックに代表される有機材料は、今後ますます注目されていくでしょう。よく理解してつき合いたいものです。

欲しい性能を付与できる進化した有機材料の世界
『「機能性プラスチック」のキホン』
著者:桑嶋 幹(くわじま みき)・久保敬次(くぼ けいじ)
定価:1575円(税込み) 色数:オールカラー
刊行:2011年11月 ISBN:978-4-7973-6423-1
<著者>
桑嶋 幹(くわじま みき)
1963年生まれ。豊橋技術科学大学大学院工学研究科前期課程修了。工学修士。光分析機器メーカー・日本分光株式会社勤務。新理科教育フォーラム副代表。北海道理科サークルWisdom96に参加。おもな著書に『「レンズ」のキホン』(ソフトバンク クリエイティブ)、『図解入門 よくわかる最新レンズの基本と仕組み』『図解入門 よくわかる最新プラスチックの仕組みとはたらき』(秀和システム)、『これだけは知っておきたい 生きるための科学常識』(東京書籍)など。
久保敬次(くぼ けいじ)
1960年生まれ。京都大学大学院工学研究科前期課程修了。工学修士。高分子が主体の化学メーカー・株式会社クラレ勤務。高分子材料の研究開発に従事。

<目次>
第1章 プラスチックの基礎知識
001 プラスチックは目的や用途に合わせて開発できる身近な材料
002 プラスチックとは形をつくることができるもの
003 漆や琥珀などの天然樹脂の利用がルーツ プラスチックの歴史①
004 生ゴムの利用から合成ゴムの開発へ プラスチックの歴史②
005 セルロイドは半合成時代のプラスチック プラスチックの歴史③
006 プラスチック時代を開いたベークライト プラスチックの歴史④
007 すべての物質は原子からできている プラスチックはどのような物質か①
008 高分子は多数の原子が結合した巨大分子 プラスチックはどのような物質か②
009 物質の化学式 プラスチックはどのような物質か③
010 プラスチックにはどのようなものがあるか
011 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
012 汎用プラスチックとエンジニアリングプラスチック
013 目的によってつくりだされる複合材料
014 プラスチックの工業規格と定義
015 用途や観察・簡単な実験で見分ける方法 プラスチックの見分け方①
016 品質表示や識別マークで見分ける方法 プラスチックの見分け方②
017 バイルシュタイン試験でハロゲンを検出 プラスチックの見分け方③
018 光分析機器を使って見分ける方法 プラスチックの見分け方④
019 プラスチックの生産量と消費量 プラスチックの利用①
020 プラスチックの種類別生産量と用途 プラスチックの利用②
COLUMN 物質名の表し方
第2章 プラスチックのつくり方
021 形づくられて初めてプラスチックになる
022 重合でモノマーを連結してポリマーをつくる
023 ポリマーは長さの違う分子の混ざりもの
024 化学結合の考え方 腕を組み替えてつながる
025 ポリマーをつくる2つの方法
026 連鎖反応でポリマーをつくる方法
027 逐次反応でポリマーをつくる方法
028 重合以外のプラスチックのつくり方
029 枝分かれしたポリマー
030 複数のモノマーを使う重合
031 複数のモノマーを混ぜて単純に重合するランダム共重合体と交互共重合体
032 同じモノマーごとに固まっているブロック共重合体
033 幹と枝が違うものでできているグラフト共重合体
034 プラスチックのABC
035 添加剤で性能が変わる
036 高分子は流れ方に特徴がある流れ方の科学(レオロジー)
037 ポリマーからプラスチックへ 成形加工法①
038 ポリマーからプラスチックへ 成形加工法②
039 熱硬化性プラスチック
COLUMN 水中で重合する方法
第3章 プラスチックの高性能化
040 高性能と高機能は違う本来の意味と実際の使われ方
041 温度が上がると変化する性質 ガラス状態とゴム状態
042 ポリマー同士の仲のよさによって変化する性質
043 結晶性の有無で変化する性質
044 モノマーの結合の向きで変化する性質
045 プラスチックの強さと伸び
046 バネの性質と水あめの性質
047 2種類のポリマーの比率で変化する構造と性質
048 架橋ゴムと熱可塑性エラストマー
049 架橋の方法と架橋体の性質
050 引っ張って強くする
051 プラスチックをもっと強靱にする
052 もっと熱に強くする
053 もっと割れにくくする
054 もっと透明にする
055 ナイロンとアラミド繊維 鋼鉄より強く、クモの糸より細い
056 炭素繊維プラスチック 鋼鉄より強く、アルミより軽い
057 発泡プラスチック 衝撃吸収から断熱まで
058 シリコーン樹脂 オイルからゴム・プラスチックまで
059 フッ素樹脂 フライパンだけではない
060 合成ゴム ゴムにもいろいろある
COLUMN ソフトマターってなに?
第4章 機能性プラスチックのしくみと働き
061 プラスチックレンズ すぐれた透過率と屈折率
062 コンタクトレンズ 酸素を透過し、眼にやさしい
063 光ファイバー 信号を光に乗せて届ける
064 記録・記憶材料 光で情報を記録する
065 光硬化性樹脂 光で固めて造形まで
066 フォトレジスト 微細な半導体集積回路をつくる
067 形状記憶樹脂 元の形を記憶する
068 偏光フィルム 液晶ディスプレイの立役者
069 生分解性プラスチック 微生物で分解される
070 医用高分子 医療現場で大活躍
071 親水性ポリマー 水と仲のよいポリマー
072 高吸水性高分子 大量の水を保持する
073 高分子電解質膜 燃料電池の心臓部
074 分離膜 海水を真水に変える
075 導電性プラスチック 電気を通すポリマー
076 圧電素子 スピーカーから人口筋肉まで
077 気体透過膜とバリア膜 気体を通す、遮断する
078 防音材と防振材 振動を吸収する
079 コーティング 表面を覆って特殊な機能を付加
080 粘着剤と接着剤 ものとものをくっつける
081 自分で補修する夢の材料 インテリジェント材料
COLUMN プラスチック磁石
第5章 プラスチックと私たちの生活
082 プラスチックの利便性と問題
083 プラスチックの安全性① 有害物質
084 プラスチックの安全性② 用途と用法
085 プラスチックと環境問題
086 プラスチックの耐候性
087 プラスチックと資源問題① 石油はあとどれぐらいもつのか
088 プラスチックと資源問題② プラスチックと石油資源
089 プラスチックとごみ問題① ごみ問題とは
090 プラスチックとごみ問題② 廃プラスチックの排出量
091 リサイクルの4R運動
092 プラスチックのリサイクル
093 容器包装リサイクル法とは
094 ペットボトルのリサイクル
095 ペットボトルのリサイクルの問題点
096 プラスチックの問題点は科学と技術の発展で解決できるか
097 持続可能な社会とは
098 循環型社会を目指すために
099 ゼロ・エミッション
100 プラスチックで解決できる環境問題
COLUMN ライフサイクルアセスメント(LCA)とは
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