見えないもの、感じ取れないもの、巨大なもの、逆に小さなもの。身近な自然現象を理解しようとして、多くの科学者が数々の(思考)実験を繰り返してきました。物理の基本を知るためにも、この実験は大いに役立ちます。本書は、科学実験のエキスパートである著者が、これまでの科学史をひもときながら、要所となるポイントを解説し、それを身近な実験で体験できるよう工夫しています。科学法則を肌で感じて、楽しく理解してみましょう。

力・熱・光・電気・流体がスラスラわかる
『おもしろ実験と科学史で知る物理のキホン』
著者:渡辺儀輝(わたなべ よしてる)
定価:1000円(税込み) 刊行:2009年5月 ISBN:978-4-7973-5156-9
<著者プロフィール>
渡辺儀輝(わたなべ よしてる)
1966年、北海道生まれ。北海道大学大学院地球物理学専攻修了し、現在は市立函館高等学校物理教諭、公立はこだて未来大学非常勤講師を兼務。平成17年度日本物理教育学会より学会賞である大塚賞、平成19年度文部科学大臣優秀教員表彰を受賞。趣味は物理実験道具の開発と楽器演奏(ベース)および作曲、編曲。著書に『なぜ救急車が通り過ぎるとサイレンの音が変わるのか』(宝島社)がある。函館新聞に家庭でできる科学実験コラムを10年(週1回で500話達成)連載中である。
理科教育実践ホームページ
http://www.infosnow.ne.jp/~w_teru/konbu/
<目次>
第1章 力学の探究
アリストテレスの運動論と落下運動
アリストテレスの地上付近の自然運動の考え方
アリストテレスの強制運動の考え方
アリストテレスの運動論への批判
アリストテレス運動論の矛盾
ガリレオの功績と運動論の発展
ガリレオが発見した法則①振り子の等時性
ガリレオが発見した法則②落下距離は落下時間の2乗に比例する
ガリレオが発見した法則③真空中でものは同時に落ちる
ガリレオが発見した法則④放物運動は2つの運動の組み合わせ
力・運動量・運動エネルギーの区別
力の分類
真空中の放物運動
保存されるのはmvかmv2か?
運動量保存とエネルギー保存
力の定義
力の大きさをいかに定義するか?
力によって運動のなにが変わるのか
力と質量、加速度の関係
もし力がつりあっていたら......
慣性質量と重力質量
ガリレオの思考実験と慣性の法則・慣性質量
一般相対性理論と質量の根源を探る素粒子
力学の探究 おわりに
第2章 熱の探究
熱とはなにか?
古代の人は熱をどう考えたか
フロギストン(燃素)とカロリック(熱素)
熱はエネルギーの1つの形である
熱運動
気体分子の運動
100℃の水蒸気のサウナでやけどをしないのはなぜ?
気体分子の速さを比較してみよう
気体分子の運動の度合いが絶対温度
気体分子は同じ温度ならすべて同じ速度か?
熱機関の原理
熱機関が動くためには?
熱を捨てないと熱機関は連続的に動かない
効率のよい熱機関にするために
温め・冷やし......はこんなところにも?
熱力学第2法則
熱力学第1法則の限界
入った熱のすべてを仕事へ変えることはできるか?
第1種永久機関と第2種永久機関
マクスウェルの悪魔
熱の伝わり方
熱伝導......小突き合いが伝わる
熱対流......かたまりが移動することで伝わる
熱放射......電磁波となって熱を伝える
熱の探究 おわりに
第3章 光の探究
光の直進性と屈折
光は直進する
見えるということ
凸レンズはなぜ倒立の実像をつくることができるのか
光の粒子性と波動性 古典編
光はなぜ曲がるのか
ホイヘンスの原理
フェルマーの原理
複屈折と光の粒子性・波動性
光速の測定と波動の逆転勝利
レーマーの光速測定
トーマス・ヤングの活躍
フレネルによる逆転劇
水中の光速測定と波動説の勝利......しかし
エーテルの謎
アラゴーの不安
エーテルの風
光速度不変の原理
光の粒子性と波動性 近代編
19世紀の暗雲
光量子仮説
光が粒子性をもつことで、なにが説明できるのか?
光の二重性がもたらしたもの
光の探究 おわりに
第4章 電気の探究
静電気の時代
静電気力の第1発見者は誰?
医者ギルバートの出版物
誘電分極とは?(現在の解釈)
静電誘導とは?(現在の解釈)
静電気の性質
電気をためる道具の発明 ライデンびん
静電気の放電
電気量と静電気力の関係 クーロンの法則
クーロンの法則の第1発見者はクーロンではない
静電気から動電気へ
動物電気と金属電気
ボルタの電堆
電堆からの広がり
熱電気とゼーベック効果
電気で探る物質の性質
電気分解
オームの法則発見前夜
オームの法則
直交論争
直流と交流
直流送電の欠点と交流送電の優位
エジソンvs.ニコラ・テスラ
電気の探究おわりに
第5章 流体の探究
層流と乱流
流体力学とは?
層流と乱流の区別
層流なのに渦がある?
乱流の研究は最先端科学につながる
静止流体
水圧は全方向に作用する パルカルの原理
浮力はなぜ発生するのか?
間違いやすいアルキメデスの原理の真実
表面張力
なぜ表面張力が起きるのか?
表面張力と数学的アプローチ
表面張力を弱める界面活性剤
毛細管現象のふしぎ
ベルヌーイの定理
ベルヌーイ親子の確執
ベルヌーイの定理を正しく理解するために
流体のエネルギー保存則
ベルヌーイの定理の間違った使われ方
揚力の発生
コアンダ効果
揚力はいかに発生するのか?
流体の探究 おわりに
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