オール2階建ての巨人、世界最大の旅客機、「エアバスA380」。こんな現実離れした旅客機が、2007年10月25日、ついに商業運航を開始しました。本書は、A380を開発当初から追いかけ、記念すべき世界初の商業運航便に招待された著者が、機体やキャビンの構造と開発、そして就航までを、写真と図版を使って詳しく解説したものです。

ジャンボジェットを超えるオール2階建て巨人機の開発から就航まで
『エアバスA380まるごと解説』
秋本俊二(あきもとしゅんじ)
定価:1000円(税込み) 色数:オールカラー
ジャンル:乗物 刊行:2008年3月 ISBN:978-4-7973-4671-8
<編者プロフィール>
秋本俊二(あきもとしゅんじ)
作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代は航空工学を専攻し、卒業後数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。欧米やアジアなど世界の空を旅しながら、1,000人位以上のエアライン関係者へのインタビューを続け、航空機メーカーや各国の空港なども幅広く取材。新聞、雑誌、Web媒体を中心に取材レポートやエッセイなどを発表する。著者にサイエンス・アイ新書『みんなが知りたい旅客機の疑問50』、監修としてDVD『コンコルド1976~2003-超音速飛行の27年』(ナウオンメディア)がある。
<目次>
第1章 就航 王者は音もなく舞い上がった ~07.10.25、A380世界初就航便密着ドキュメント
・異様な熱気と興奮に包まれる早朝のシンガポール・チャンギ空港
・王者の風格を漂わせる機体を前に言葉も出せずにたたずむ人々
・世界35カ国の幸運者たちが記念すべき初就航便チケットを手に
・社会福祉施設に寄贈された600席分の落札額1億4,000万円
・会場の全員でカウントダウンを唱和しCEOらが搭乗開始のテープカット
・ワゴンサービス中のCAたちの横を難なく通り抜けられる通路幅
・知らぬ間に外の景色が動いていた! その類いなき静寂性に驚き
・乗客の誰もが息を押し殺すなか機は音もなく、ふわりと舞い上がった
・特別に厳選されたクルーたちが晴れの舞台で訓練成果を披露
・ジャンボ機と超音速コンコルドのそれぞれの初便搭乗経験者も
・10時間以上の長距離フライトももう苦痛に感じることはない
・クルーたちの粋な心づかいで機上の"サプライズパーティ"が実現
・機は定刻どおりシドニー空港に到着私たちは歴史的ドラマの証言者に
コラム エアバスA380を語る① A380の"追っかけ"が続きそう/小栗義幸(航空写真家)
第2章 開発 構想から完成までの全歩み ~オール2階建てA380はこうして誕生した~
●欧州の航空機メーカー、エアバスの歴史
・米国ボーイングのライバルとして
・ハイテク機の基礎を築いたA320
●超大型機の分野でライバルを追い越せ!
・描き上げた「オール2階建て」の青写真
・市場の好感触に後押しされたA3XX構想
●シンガポール航空がA380導入を正式発表
・99年12月に機体の製造がスタート
・3万人の群衆が見守る中で初飛行
・市場の要望で機体性能を大幅アップ
●過酷な条件下で繰り返されるテスト飛行
・「型式証明」の取得に向けて
・砂漠地帯や極寒の地も試験舞台に
●多くの航空ファンに迎えられ日本に初飛来
・成田がA380就航都市の候補に
・堂々としたランディングを披露
●刻まれる「SINGAPORE AIRLINES」の文字
・引き渡し1号機の客室設備も完成
・BAがA380導入に踏み切った衝撃
●トゥールーズで1号機を引き渡し
・式典に世界中の報道関係者が集結
・3クラスのキャビンを初公開
・1週間後に迫った世界初就航に向けて
コラム エアバスA380を語る② 旅への憧れを刺激する堂々たる偉容/黒川将光(毎日新聞成田支局長)
第3章 技術 巨体を構成する先進テクノロジー ~A380には随所に最新の思想が詰め込まれている~
●―機体構造― かつてない規模で複合材を使用
・炭素繊維素材を多用し強度を確保
・従来設計より15トンも機体を軽減
●―コクピット― 8基の表示画面で新たな情報機能を付加
・FBW(電子制御飛行)技術を継承
・より進化したグラスコクピット
●―キャビン― 長距離フライトを快適にする装備が満載
・気温や光、酸素供給量などを自在に調整
●―エンジン―次世代型ターボファンエンジン4基を搭載
・新技術で厳しい騒音規制もクリア
・エンジン2基の双発機が主流の時代に
・4発機だから実現した大陸横断型巨人機
●―環境への配慮― 離着陸時の騒音レベルは従来の大型機の半分
・新素材の活用で燃料効率もアップ
●―空港適合性― 世界中の計70の主要空港で運用が可能に
・2階席に行く乗客の流れもスムーズ
・ターンアラウンド「90分」を実現
●―日本との産業協力― A380は日欧の航空産業を結ぶ"掛け橋"
・日本メーカー21社が開発・製造に協力
●―数字で見るA380─ 1機の値段は? 燃料タンクの容量は?
・ボディや主翼の寸法は?
・燃料タンクの容量は?
・ランディングギアのタイヤの数は?
・機体のドアの数は?
・1機いくらで買える?
・機体を構成している部品の点数は?
コラム エアバスA380を語る③ 環境への配慮でも最先端をゆく/青木謙知(航空評論家)
第4章 キャビン ベールを脱いだシンガポール航空A380 ~超ゴージャスな三つのクラスを完全レポート~
●―シンガポール航空スイート― ファーストを超えた新時代のラグジュアリー空間
・スライド式のドアを閉めるとそこに豪華で贅沢な個室空間が出現
・ミールサービスの時間になるとまるで街のレストランのような光景が
・高級感ただようアメニティキットと上着などをしまえる個別ワードローブ
・カップルでの利用者にはこたえられない二人だけの"スイートルーム"
●―ビジネスクラス― サイズは業界最大。機内に誕生した近未来オフィス
・わずか60席のビジネスクラスにアッパーデッキの3分の2を割り当て
・すべてのシートが「通路側」に面し一人ひとりのプライバシーも十分確保
・近未来的なレイアウトやデザインはまさに先進企業のオフィスのよう
・就寝時には客室クルーに頼むとアッという間に快適フラットベッドに
●―エコノミークラス― 軽く薄い新素材の採用でゆとりと居住性が拡大
・背当て部や座面が極力薄く設計され見た目ではわからない広さを実感
・座面が前方にスライドする新設計が身体への負担を大幅に軽減
・A380初就航フライトは驚きと発見の連続だった
・液晶画面はエコノミークラス最大 新発想のLED読書灯にも先進性を実感
●―機内娯楽&ミールサービス― シンガポール航空の個性がきらりと光る
・世界の一流シェフたちの手によるワンランク上のメニューと高級ワイン
・選択範囲が広がった新クリスワールドで機内で過ごす時間がますます充実
●最新のシート&設備に反映された述べ数千人におよぶ利用者たちの声
・"余分な施設"が見当たらない!
・4年の歳月を費やした調査活動
・現場のCAたちからも活発な提案が
・社内外の意見をもとにランクづけ
コラム エアバスA380を語る④ ヒコーキ嫌いにも可能性が広がる/中西克吉(フリージャーナリスト)
第5章 舞台裏 "Xデー"を陰で支えたスタッフたち ~初就航に向けたシンガポール航空社員たちの挑戦~
●─パイロットのトレーニング─ 07年末までに50名がA380操縦資格取得
・チャンスはすべてのパイロットに
・トゥールーズの訓練センターにて
●─客室乗務員のトレーニング─ A380へのコンバージョン訓練は計4日間
・独特の民族衣装を身にまとい
・入社後は15週間の新人教育
・総2階建ての構造に慣れるために
・降りるのがもったいないエアライン
コラム 世界一有名なユニフォーム
●─機体メンテナンス─ 電子化された情報を整備作業にフル活用
・05年12月から特別訓練開始
・A380担当整備士は現在80名超
●─グランドハンドリング─ 就航に備え「地上ワーキンググループ」を結成
・11の駐機スポットをA380用に改良
・全体予行演習で「万全」を確認
●─メーカーの支援体制─ 初就航後の定時出発率ほぼ100%を達成
・日々の運航を電話会議で分析
・航空会社とメーカーが一体となって
コラム エアバスA380を語る⑤ シンガポール航空の人気は当分揺るがない/安藤正(小学館『ラピタ』副編集長)
第6章 可能性 A380が実現する"空の旅"の新しいカタチ ~人々の旅への思いを根底から変えてしまう潜在パワー~
●全部の飛行機がA380になれば旅行者には言うことなし
・騒音に悩まされる主翼後方席でも周囲の人たちの会話が聞こえてくる
・近未来の航空需要についての予測でエアバスとボーイングは真っ向から対立
・主要都市を移動する長距離フライトではエレガントな空の旅を提供したい
・ハブ空港での乗り継ぎも短時間ならむしろいい気分転換になる
・エアライン各社のアイデア次第でさらに違ったキャビン設計が可能に
・地階のスポーツジム、空飛ぶカジノ......夢ははてしなく広がっていく
コラム エアバスA380を語る⑥ "フラッグシップ"として日本も導入を/佐藤言夫(イカロス出版『月刊エアライン』編集長)
第7章 飛来 日本就航も視野に。その実現時期は? ~A380をデビューさせる世界のエアライン~
●シンガポール航空
・2号機、3号機を予定どおりに受領
・CEOが認めた"Xデー"は08年5月
・日本人CAの特別訓練もスタート
●エミレーツ航空
・"なにをやるかわからない"が魅力
・アジアの主要都市もターゲットに
●エールフランス航空
・日本就航を最初に発表したエアライン
・午前・午後の両便にA380を投入
●ルフトハンザ ドイツ航空
・A380の開発テストで全面協力
・利用者が多い成田/フランクフルト線
●ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)
・新しい技術を積極果敢に採用
・A380をジャンボ機の後継機に
●大韓航空
・欧米への旅をソウルからA380で
・国内14都市への就航は外資系最多
●タイ国際航空
・欧州のほか東京も就航先の候補に
●カンタス航空
・初期の就航先としては欧米線が有力
●ヴァージンアトランティック航空
・独創的サービスが定評のエアライン
●カタール航空
・首都ドーハをベースに70都市へ就航
●マレーシア航空
・アジア屈指の国際派キャリア
●中国南方航空
・新機材でインターナショナルに活躍
●そのほかのエアライン
・サウジの王子様も個人で発注!



















































































































































































































































