水の惑星・地球には無尽蔵の水素があります。この究極のエネルギーである水素を人類はこれから、燃料電池で利用しようとしています。石油枯渇や地球温暖化といった危機を一気に払拭しそうなこの最新技術を、世界のシンクタンクのレポートを交えやさしく解説します。

次世代エネルギーの本命に迫る
『燃料電池と水素エネルギー』
著者:槌屋治紀(つちや はるき)
定価:945円(税込み) 刊行:2007年3月 ISBN:978-4-7973-3728-0
■ご購入はこちら
アマゾン 楽天ブックス セブンアンドワイ
![]()
<著者プロフィール>
槌屋治紀(つちや はるき)
東京大学大学院機械工学科博士課程修了、工学博士。システム工学専攻。1979年に株式会社システム技術研究所を設立し、現在所長。著書は『エネルギー耕作型文明』(東京経済新報社)、『調べてみよう エネルギーのいま・未来』(岩波ジュニア新書)、『燃料電池』(ちくま新書)など。
<担当編集者からのメッセージ>
燃料電池は“電池”という名前がついていますが、一般の電池のように、内部の原料の化学反応で電気を取りだすことはできませんし、まして充電池のように電気をためこむこともできません。燃料となる酸素と水素を外部から供給し続けなければ電気を生むことはできず、その点では発電機に近い存在だといえます。
水を電気分解すると、酸素と水素が発生します。燃料電池はちょうどこれの逆の反応を用いて、酸素と水素から電気と水を作ります。酸素は大気の20%を占めるものなので、どこにでもあるといえます。すると問題となるのは、水素をどのようにして供給するか、という点です。石油などの化石燃料の枯渇を前提に、その代替エネルギーとして注目される水素、燃料電池なのですから、水素を作るために化石燃料を消費することはできません。
おそらく太陽光発電などから水素を確保する方策が考えられると思いますが、現在のエネルギー消費量を電力で肩代わりさせようとすると、インフラを含めて大改革が必要となるでしょう。
本書では、燃料電池がどのように開発されてきたか、その歴史的な経緯を含めて解説しています。すでに世界の自動車メーカーは、電気自動車やハイブリッド車のほかに燃料電池車も開発しており、実際に稼働しているものもあります。家庭用の冷暖房システムとしても燃料電池の利用は現実的になっています。残る課題は、一般の人でも購入できる価格帯になるのかという点と、それをサポートする社会的なシステムの整備がどうなるかという点です。
本書では、これらの課題について大胆な試算を行い、燃料電池と水素エネルギー社会の実現可能性について言及しています。燃料電池の基礎から、これからの展望までを本書から学び取っていただければと思います。
<目次>
第1章 燃料電池とは何か
近ごろ話題の「燃料電池」とは何だろう
燃料電池の仕組みを調べる
偶然の発見
燃料電池の試作
効率の高い発電技術
燃料電池の種類
燃料電池の構成部品
固体高分子形燃料電池の応用
コラム●電気うなぎ
第2章 石油の時代から新エネルギーへ
エネルギー問題が浮上する21世紀
キング・ハバートの針
米国のサウジアラビア産石油への傾斜
地球温暖化「プラス0.6℃」の意味
新エネルギーは高効率化技術が基本
自然エネルギーはエネルギー密度が小さすぎる?
新エネルギーの研究開発
新エネルギーを推進するグリーン電力とRPS法
水素エネルギーとはどういうものか
エネルギーを運ぶ方法
エネルギーのうちの水素の割合
第3章 地球は熱くなる
シュワルツェネッガー知事の翻意
何もしないツケは重い スターン・レビューの衝撃
キーリング博士の二酸化炭素濃度測定
地球温暖化の傾向
日本における地球温暖化の影響
生物への影響
地球温暖化に対する対策
ゴア元副大統領の「不都合な真実」
各国の温暖化対策
日本政府の対策
排出権取引とは何か
二酸化炭素を固定化する技術
第4章 燃料電池のブレイクスルー
アポロ計画と燃料電池
バラード社が生み出した画期的な小型化技術
ダイムラークライスラーの燃料電池車
GM(ゼネラルモーターズ)の燃料電池車
トヨタの燃料電池車
ホンダの燃料電池車
日産の燃料電池車
バラード社の燃料電池の最近の発展
自動車技術の比較
自動車の走行エネルギー
電気自動車
ハイブリッドカー
プラグイン・ハイブリッド
ソーラーアシスト・カー
燃料電池を利用する
コラム●熱機関と燃料電池
コラム●自動車の走行時の方程式
コラム●水素か電気かという論争
第5章 技術革新とコストダウンの未来予測
新製品の普及を示すロジスティック曲線
新製品が普及するための5つの条件
コスト低下を学習曲線で考える
学習曲線の原理とは
太陽電池の例を見ると
燃料電池への適用
固定高分子形燃料電池の量産コスト
学習曲線による燃料電池車のコストの計算
水素貯蔵の3つの方法
電気と熱を利用する住宅用燃料電池
二酸化炭素の排出量の論争
熱を利用する技術
コージェネレーションの学習曲線によるコスト分析
水素をどこから確保するのか
水素インフラを整備するコスト
日本における分析
工場副生ガスから水素を得る
コラム●エネルギーの単位について
コラム●ヒートポンプとは
コラム●可逆セル
第6章 水素エネルギー社会の到来
水素エネルギー社会の規模
エネルギー狩猟型から耕作型文明へ
10人の奴隷がいる



















































































































































































































































